不機嫌なママにメルシィ!
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あらすじ
フランスの俳優ギヨーム・ガリエンヌは、パリ近郊の裕福な家庭で生まれ育った。実家はかなりの豪邸で、セレブなママは自由気ままに生きている。ギヨームは男兄弟に囲まれて育ったが、ママは子供たちを呼ぶ時“男の子たちとギヨーム”と言った。
ママは、ひ弱で甘えん坊のギヨームを女の子のように育て、ギヨーム自身も“自分は女の子なのだ”と思い込んでいた。
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作品情報
『不機嫌なママにメルシィ!(原題:Les Garçons et Guillaume, à table ! 英題:Me, Myself and Mum)』 は、ギヨーム・ガリエンヌが脚本、監督、主演を務めた2013年のフランスの映画で、監督の自伝的映画となっています。フランスが誇る国立劇団コメディ・フランセーズの演技派俳優ギヨーム・ガリエンヌが、監督デビューを果たした自伝的作品で、主人公の“ボク”だけでなく、“ママ”まで演じるという1人2役の本作は、ギヨームが自身のアイデンティティに気づくまでの物語になっています。
まず自伝的映画とは言え、監督本人が学生時代の自分役はもちろん母親を演じることにも驚きで、さらにその母親と息子の似ているようで似ていない2人を演じ分けたギヨームの演技力に脱帽です。
物語全体はコメディ調でところどころクスっと笑えるエッセンスが詰め込まれていますが、内容自体はとても笑えないストーリーで、アイデンティティを否定され続けた男の子が本当のアイデンティティを見つけ、さらに母親からの自立も描いています。
映画『不機嫌なママにメルシィ!』より
複雑なギヨームのアイデンティティ
ギヨームは幼い頃から内向的で女性的だったため、母親から女の子のように扱われていました。ギヨームには他に男の兄弟が3人もいたため、母親は「男の子たちとギヨーム」と明らかに他の兄弟たちとは区別して育てられた。母親の影を追うように、仕草や雰囲気や息遣いを真似、親戚家族はもちろん父親までギヨームと母親を間違えるほどギヨームは女性的に育ちますが、それを良しとしないのが厳格な父親で、父親はギヨームを男らしく育てるために、あの手この手を尽くします。
そしてギヨームのアイデンティティを揺るがす事態に。母親から「あなたはゲイでしょ?」と言われてしまいます。ギヨームは自身を「女性だ」と思っていたので、母からゲイだと言われて「僕はゲイじゃない、女の子として男の子が好きなんだ」と苦悩します。
その後のカウンセリングや荒療治をしますが、ギヨームの心のアンバランスさは解消されず、ゲイコミュニティにも足を踏み入れますが、やはりギヨームは合わない何かを感じ、女性のコミュニティに参加したりします。
このようにギヨームは「性自認が女の子なのかな?」「女性的なゲイなのかな?」と何やら揺れ動き、本人も不安定な状態のアイデンティティで、苦悩するシーンがいくつも見られます。
映画『不機嫌なママにメルシィ!』より
アイデンティティと母親からの自立
「ゲイかな?」「性自認が女性なのかな?」と揺らいでいたギヨームのアイデンティティはラスト、母親への報告で語らいます。ギヨームは母親に「ゲイじゃないと気付いた男の子の話を芝居にしてみる」と言います、つまりギヨームは「ストレート(異性愛者)」だとカミングアウトしたのです。ゲイじゃないとカミングアウトされた母親は動揺を隠せずにいます。
結論から言うと、娘が欲しかった母親にとって、男の子だと分かっていてもギヨームは娘だと思うことでコミュニケーションを取り、ギヨームに彼女ができないことに安心感を覚えていたとのことで、ギヨームは母親から愛されるために母親のコピーのように育てられたのだと思います。
そんな母にストレートだとカミングアウトするということは、母親との決別……というよりギヨーム自身の母親からの自立に近いのかもしれません。
映画『不機嫌なママにメルシィ!』より
まとめ
コメディ調でテンポよく進んでいく展開なので、複雑なギヨームのアイデンティティも考えすぎることなく入り込める作品になっています。
「カミングアウトをする」というとゲイであるとかレズビアンであるとかマイノリティとされることを告げることがほとんどですが、こちらの作品は「ストレートだ」とマジョリティのカミングアウトという珍しい現象。
なによりもこの複雑な内容をコメディ調に仕上げ、入り込みやすくし、さらに母親と息子の1人2役をこなしたギヨーム・ガリエンヌの才能に感動します。

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なによりもこの複雑な内容をコメディ調に仕上げ、入り込みやすくし、さらに母親と息子の1人2役をこなしたギヨーム・ガリエンヌの才能に感動します。

映画『不機嫌なママにメルシィ!』より
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