バトル・オブ・ザ・セクシーズ
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あらすじ
ビリー・ジーン・キングは11歳でテニスを始めて以来、数々の優勝を重ね、グランドスラムのシングルス、ダブルス、混合ダブルスを計39回制した歴史に名を残す女子テニスプレーヤーの1人。
そんな彼女は全米テニス協会が発表した次期大会の女子の優勝賞金は男子のわずか1/8であることを知り、怒りに燃えています。
責任者に賞金の格差について抗議するものの「観客が入るのは男子の試合」と言い放たれてしまいました。
すぐさまジャーナリストであり友人のグラディスと共に仲間の女子プレーヤーを集め”女子テニス協会(WTA)”を立ち上げます。駆け出しのWTAは、自分たちでチケットを売り、宣伝活動やコートの整備もやり動き出します。
そんな女子テニスプレイヤーの活躍に快く思わない男子テニス世界王者ボビー・リッグスは、彼自身の思惑もあり、ビリー・ジーンに男対女の男女間試合を提案します。
そんな彼女は全米テニス協会が発表した次期大会の女子の優勝賞金は男子のわずか1/8であることを知り、怒りに燃えています。
責任者に賞金の格差について抗議するものの「観客が入るのは男子の試合」と言い放たれてしまいました。
すぐさまジャーナリストであり友人のグラディスと共に仲間の女子プレーヤーを集め”女子テニス協会(WTA)”を立ち上げます。駆け出しのWTAは、自分たちでチケットを売り、宣伝活動やコートの整備もやり動き出します。
そんな女子テニスプレイヤーの活躍に快く思わない男子テニス世界王者ボビー・リッグスは、彼自身の思惑もあり、ビリー・ジーンに男対女の男女間試合を提案します。
エマ・ストーン主演!映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』予告編
内容紹介
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ(Battle of the Sexes)』は2017年のアメリカ合衆国・イギリスのスポーツ伝記映画で、1973年にテニス選手ビリー・ジーン・キングと当時55歳になっていた往年のテニス選手ボビー・リッグスの間で行われた「性別間の戦い」という「男女対抗試合」を元に描かれています。
出演は女子テニスプレイヤーの王者ビリー・ジーン・キング役にエマ・ストーン、男子テニスプレイヤーで男性優位を訴えるボビー・リッグス役にスティーブ・カレル、ビリー・ジーンの恋人であり美容師のマリリン役にアンドレア・ライズブロー。
出演は女子テニスプレイヤーの王者ビリー・ジーン・キング役にエマ・ストーン、男子テニスプレイヤーで男性優位を訴えるボビー・リッグス役にスティーブ・カレル、ビリー・ジーンの恋人であり美容師のマリリン役にアンドレア・ライズブロー。
映画の目玉であるビリー・ジーンとボビー・リッグスの試合のシーンでは、ケイトリン・クリスチャンがエマ・ストーンの代役を、ビンセント・スペイディアがスティーブ・カレルの代役にして撮影されたほか、他にもテニスプレイヤーたちが出演しています。
映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』より
男女同権を求めて
男女の格差から生まれた「男対女」のテニス試合。けしかけるのは男子テニスプレイヤーの頂点に輝いてた当時55歳のボビー・リッグス。面白いのは男対女の試合を持ちかけた彼が根っからのヴィランではないということで、彼自身は家族を取り戻すために試合を挑んでいて、そして彼自身「男性至上主義」がはびこる世の中で「男らしさ」をアピールすることでしか家族をつなぎとめる方法を知らないのが映画からでもわかります。
そんなボビーに対して主人公ビリーは「(彼の男性至上主義は)パフォーマンス」だと理解を示していて、心の底から憎んでいるわけではないようです。
逆に心から「男性至上主義」を謳っているのは男子テニスプレイヤーで男子プロテニス協会の初代責任者のジャック・クレイマー。
彼は「男子の賞金は1万2000ドル、女子は1500ドル」「男は力強い、試合が楽しい」と明らかな性別差別を設定し、映画では描かれなかったですが、ビリーが勝ったビリーvsボビーの試合も難癖をつけていたようです。
ただこの時代はそういった「男性至上主義」の考えが当たり前で、それを変えようとするビリーの方が異端だったので、彼もまた時代の被害者なのかもしれませんね。
映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』より
ビリーとLGBTQ
ビリーは結婚し夫も子どももいる身ですが、作中ではマリリンという美容師と恋仲になります。彼女はもともと保守的な過程で育っており、自身がレズビアンであることにはうすうす気づいていたそうですが、それを表に出すことができずにいたそうです。
映画では仲睦まじく支え合っていたふたりですが、映画のその後破局がきっかけでビリーがレズビアンであることがアウティングされ、その結果ビリー・ジーンは同性愛を認めた最初のプロ選手になります。
またビリーのライバルでボビーと最初に男女試合をしたマーガレット・コートですが、映画の中ではビリーが同性の愛人を連れていることに対し不快感をあらわにしました。
そんなマーガレット・コートは、実は宗教的価値観から反同性愛活動家としても有名で今でもLGBTQの活動家であるビリーとはバチバチなんだとか。
映画内でのゲイでデザイナーのテッドがビリーに語り掛けます。
そんなマーガレット・コートは、実は宗教的価値観から反同性愛活動家としても有名で今でもLGBTQの活動家であるビリーとはバチバチなんだとか。
映画内でのゲイでデザイナーのテッドがビリーに語り掛けます。
時代は変わる。今、きみが変えたように。いつか僕らはありのままでいられる。
自由に人を愛せる。だけど今は皆と勝利を祝おう。
男女同権と同時にビリーは水面下でLGBTQへの差別とも戦っていたのかもしれません(実際ビリーはなかなかカミングアウトできずに苦悩していた)
映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』より
ビリーが重圧の中で勝ち取ったモノ
ビリーとボビーの男対女の試合、ビリーがもし負けていたら「女子のテニスの在り方が50年前に逆戻りしてしまう」とそれまで彼女たちが積み上げていたものが無になるかもしれないその試合で見事に勝利を収めました。この試合をきっかけに、興行としての「女子テニス」が発展し始め、ビリーはその後も女性の権利のために戦い続けたそうです。
もしも彼女が勝てなかったとき、今ほど…スポーツ界に限らずいろんな場面で男女同権が進んでいたどうかは分かりません。それくらい彼女の功績は素晴らしいものです。
2009年には長年の女性および同性愛者の権利向上への貢献に対し大統領自由勲章を授与され、映画本編ではいがみ合う関係だったボビーとは、非常に友好的な関係を築いていたそうで、ボビーがなくなる前日も二人は電話で会話をしていたそうです。
映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』より
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話変わりますが、戦前はどこの国でも女子の給料が男子より低くて普通でしたが戦後の「他が同条件なら性別で給料を変えてはいけない」という規則が生まれたのは、アメリカの場合だと鉄道業界だったそうです。
ただこれ、男女同権というより、
1:ディーゼル機関車なら女性の体力でも問題なく操縦できる
2:会社が人件費削減のため既存の男性機関士をリストラして女性に置き換える危惧。
(蒸気機関車と運転方法が違うので、既存機関士の経験は強みにならない)
3:よって機関士の組合は「女を雇うなら男と同じだけ給料を払うべし」と主張。
というような経緯だったそうで・・・賃金の差別禁止は下にされる側の保護だけじゃなく、上の方がリストラされない意味もあったんですね。