あらすじ
キューバ出身の亡命作家レイナルド・アレナスが死の直前に綴った自伝を基に、「バスキア」で監督デビューを果たしたジュリアン・シュナーベルが映画化。
その波乱に満ちた生涯を力強く描く。
1943年、キューバに生まれたアレナスは詩に夢中になり、カストロによるキューバ革命の熱狂を経て、20歳で作家としてデビューをはたす。
が、カストロ独裁政権下では、芸術家、しかもホモセクシャルであるアレナスは激しい迫害の対象となってしまう......。
その波乱に満ちた生涯を力強く描く。
1943年、キューバに生まれたアレナスは詩に夢中になり、カストロによるキューバ革命の熱狂を経て、20歳で作家としてデビューをはたす。
が、カストロ独裁政権下では、芸術家、しかもホモセクシャルであるアレナスは激しい迫害の対象となってしまう......。
映画『夜になるまえに』日本語版予告編
内容紹介
『夜になるまえに(原題:Antes Que Anochezca, 英: Before Night Falls)』はキューバ出身の作家・詩人、レイナルド・アレナスの自伝で、2000年にジュリアン・シュナーベル監督により映画化されました。
カストロ政権下で、作家であり、また同性愛者であるために迫害されたレイナルド・アレナスは、1980年にアメリカに亡命するが、その後エイズを発病してしまう。自身の壮絶な一生を描く自伝。
同性愛も芸術活動も禁止の時代
キューバのカストロ政権下で迫害され、命からがらアメリカに亡命したものの、エイズを患い自死にてこの世を去った詩人レイナルド・アレナスの波乱万丈な人生を綴った自伝を映画化した作品です。
レイナルドは芸術家で同性愛者のうえレジスタンスであるために、ひどい迫害を受けますが、本人はそれすらもスパイスと感じているようで、結構危ない橋をドスドスと歩くタイプで、詩人活動も同性愛行動も特に隠したりもせず、人生も恋愛も謳歌するという人物。
映画ではかなーりマイルドになっているようで、原作である自伝はかなりハードなようで、実際レイナルドと関係を持った人数は5000人とかなんとか。最早伝説ですね。
それはお国柄の性に対するおおらかさや社会主義体制下で娯楽が他にない状態だったからなのか、レイナルドは同性愛が禁じられた社会で性を謳歌していて、そんなレイナルドと関係持ったイケメン俳優も映画の見どころですね。
映画『夜になるまえに』より
名脇役のボンボンとピクトル
主人公レイナルドとは恋愛関係にはならないですが、この作品の見どころで名わき役のジョニー・デップの二役です。
ひとつはレイナルドの投獄後、絶望と閉塞感に包まれて登場したゲイの囚人ボンボン。
男のだらけの要塞の中で髭面で化粧をしたボンボンは刑務所のヒロインで、男娼で鍛えられた内臓で運び屋をしていました。出番は一瞬だったのですが、存在感は抜群。
一方、映画ではレイナルドに反革命分子であったことを反省する告白文を書かせる役人美男の中尉ピクトル。
ひとつはレイナルドの投獄後、絶望と閉塞感に包まれて登場したゲイの囚人ボンボン。
男のだらけの要塞の中で髭面で化粧をしたボンボンは刑務所のヒロインで、男娼で鍛えられた内臓で運び屋をしていました。出番は一瞬だったのですが、存在感は抜群。
映画『夜になるまえに』より
一方、映画ではレイナルドに反革命分子であったことを反省する告白文を書かせる役人美男の中尉ピクトル。
反省告白文を書く間、レイナルドは目の前に座っている美男の中尉ピクトルで淫らな妄想をしていて、それまで奔放だったレイナルドがついに政府の弾圧の前にひれ伏したものの、心はその瞬間までも反政府的考えを持っていたという暗喩ですね。
その妄想に付き合うジョニー・デップはとても魅惑的に描かれていて、とにかくこれはジョニー・デップ抜きには語れない映画です。
その妄想に付き合うジョニー・デップはとても魅惑的に描かれていて、とにかくこれはジョニー・デップ抜きには語れない映画です。
映画『夜になるまえに』より
レイナルドの強い想い
レイナルドとラサロとの友人関係は、映画ではアメリカに出国後、死の瞬間まで続きます。
恋と性を謳歌して、詩を大事にして、国と時代と人に裏切られ、その末に同じく孤独なラサロと身を寄せ合いま、そしてレイナルドの最期もラサロが看取りました。
映画は、レイナルド・アレナスの芸術活動とセクシュアリティに抗うことなく、命を燃やした部分に、レイナルドの持っているユーモアや楽観性や陽気さを強調していています。
恋と性を謳歌して、詩を大事にして、国と時代と人に裏切られ、その末に同じく孤独なラサロと身を寄せ合いま、そしてレイナルドの最期もラサロが看取りました。
映画は、レイナルド・アレナスの芸術活動とセクシュアリティに抗うことなく、命を燃やした部分に、レイナルドの持っているユーモアや楽観性や陽気さを強調していています。
映画ではあまり描かれていなかったレイナルドの政治批判ですが、原作の自伝ではカストロ政権に対する強い批判と恨み節が込められているそうで、いろいろ濃い味の原作だそう。
レイナルドが自らの半生を綴った「夜になるまえに」は、革命政府に追われて逃亡中に野外で書き始めたもので、そのタイトルは明るい日中にしか書けなかったことが由来だそう。
このタイトルは、生き急いでいるような彼の生き方を象徴しているようで、なんだかエーモショナルで素敵ですね。
このタイトルは、生き急いでいるような彼の生き方を象徴しているようで、なんだかエーモショナルで素敵ですね。
映画『夜になるまえに』より
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