あらすじ
絢爛豪華なショーで一世を風靡する希代のエンターテイナー、リベラーチェ。人気絶頂の1977年、彼はハンサムな青年スコット・ソーソンと出会う。
そしてリベラーチェに見初められたソーソンは、ほどなく住み込みの秘書となり、彼の豪邸で2人だけの愛を育んでいくのだったが...。
映画『恋するリベラーチェ』予告編
内容紹介
『恋するリベラーチェ(Behind the Candelabra)』は2013年のアメリカ合衆国のドラマ映画で、1950年代から1980年代にかけて世界的に人気を博したアメリカ人ピアニストのリベラーチェの最後の10年間を描いています。元恋人のスコット・ソーソンの回想録『Behind the Candelabra: My Life With Liberace』を原作としていて、2013年5月21日にカンヌ国際映画祭でプレミア上映されました。
監督のスティーヴン・ソダーバーグはスコット・ソーソンの回想録『Behind the Candelabra: My Life With Liberace』を基としたアイデアを脚本家のリチャード・ラグラヴェネーズに話し、その年にプロジェクトは公式に発表され、マット・デイモンがソーソン役で契約し、またマイケル・ダグラスがリベラーチェ役に交渉されました。
しかしハリウッドのスタジオ側の「あまりにも同性愛的」であるという理由から資金調達は難航し、最終的にHBOフィルムズが引き受け、2012年に2300万ドルの予算で約30日間の撮影が行われた。
映画『恋するリベラーチェ』より
派手なピアニストとその恋人
ミュージック・ホールで煌びやかな衣装を身に纏い、一目見て「派手派手しい」という言葉ぴったりな天才的なピアニスト・リベラーチェ。彼のそんな「下品な悪趣味」と評されたパフォーマンスは音楽界では大ウケで、当時のショービジネス界で一番稼いでいるミュージシャンでした。そんな彼に見初められて彼の恋人になったソーソン。その時のリベラーチェの年齢は60歳手前、ソーソンは10歳代後半だったそうで、性別うんぬんよりその年齢差に驚き。
リベラーチェとソーソンの煌びやかで派手で幸せの絶頂から、リベラーチェがさらに若い子に乗り換えてしまい別れてしまう……別れ際はきれいさっぱりとはいかず訴訟問題にまでに発展。
言葉にしてしまえば簡単なあらすじですが、それをマイケル・ダグラスとマッド・デイモンが見事に演じており、マイケル・ダグラスはどんどん老いていくリベラーチェを、マッド・デイモンは整形や薬漬けでどんどん顔が変わっていくをソーソンを見事に演じており、ふたりの表現力も見どころです。
映画『恋するリベラーチェ』より
リベラーチェの性的指向
映画ではちょっと分かりにくいですが、リベラーチェは男の子をはべらせ、ソーソンとほぼ夫婦のような関係を築いていたましたが、自身が同性愛者であることは死の直前までひた隠しにしていたようです。とはいってもバレバレで彼がゲイであることは周知の事実だったようで、そもそもソーソンとの同性間の痴情の縺れで訴訟を起こしている時点で、そこまで隠す必要はあるのかな?と思ってしまいますが、当時のまだまだ同性愛に差別的な世の中とアーティストとしてのこだわりがあったのかもしれません。
それに彼の死因は「エイズによる合併症」なのですが、当初は「心不全」と発表するも警察は納得せず司法解剖を命じるという騒動が起き、解剖は拒否したものの、死体の防腐処理に使用した検体から保健当局はエイズの合併症であるということを発表する……
という経緯があったようで、そんなのアリか?と思わなくはないですが。当時の時代背景を考えるとあってもおかしくはないなと思い、なんだかやるせないです。
映画『恋するリベラーチェ』より
映画がきっかけで復活した博物館
映画はあくまでもリベラーチェの元恋人ソーソンの書いた自伝を元に描かれていて、実際どこまで真実化は不明な部分が多い(実際、リベラーチェの自伝とは矛盾があり、ソーソン曰くリベラーチェの自伝は嘘ばかりらしい)ですが、それでも二人の男性が熱烈に燃え上がる恋をして燃え上がるような別れをしっかり描いています。リベラーチェの派手なステージ衣装は、エルヴィスやエルトン・ジョン、マドンナにも大きな影響を与えたと言われていて、彼の衣装や、特注のキャディラック、メルセデス・ベンツやピアノはラスベガスのリベラーチェ博物館に陳列されているそうです。
この博物館、来場者も少なくなり一時は閉館したこともあったようですが、この映画がきっかけで再び来場者が来るように再オープンしたという経緯もあるようです。映画がきっかけで元気になるっていいことですね。
映画『恋するリベラーチェ』より
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